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TAO第10回東京眼科アカデミー:2017/03/12

本日、ザ・キャピトルホテル東急にて上記8:30分からの開催。昨日からの開催だったが0SAKA RETINAL MEETING出席のため今朝からの出席となる。ビッセン宮島弘子先生による多焦点眼内レンズ術前術後における患者説明のコツ。宮島先生は半日で20人の白内障患者さんの手術を施行されるが、そのうちの1/3が一般の眼内レンズ。2/3が多焦点眼内レンズを挿入されている。一般のレンズの1/3のうち半分がトーリック。眼科外来の様子は最初の9時から、9時30分の間に、前日に手術した20人の患者さんと、1週間前に手術した10人の患者さんを診察。その後は術後1ヶ月ぐらいの患者さんの再診、その後がこれから白内障の手術を受ける方の診察をした後、最後に多焦点眼内レンズを希望されているが、一塊の説明で納得できない方、または首を傾げて疑い深い方・・、非常に神経質な方は後回しにして時間をかけて説明する。非現実的な希望を持っておられる方は要注意。30センチにピントを合わせたら35センチはどうなるのか?とか、中間距離はどうかなどの質問がある方は多焦点眼内レンズは止めた方が良い。手術した人のうち10%ぐらいはどうしようもない不定愁訴、不満例がでる。全くそういった不満例がないことはあり得ない。ましてお金がかかっている分保険の効くレンズを入れた方と比較して不満の理由は増す。単焦点レンズでモノビジョンにすることも提案する。多焦点眼内レンズを選択する場合どの近方加入度数にするか判断できるようにしておく。左右で別の多焦点眼内レンズを入れることも想定して説明しておく。角膜混濁、不正乱視、緑内障進行例、眼底疾患は除外する。説明は眼科医でなく視能訓練士やスタッフでできるところは分担しないと時間的に外来が回らない。利点と欠点を説明する。多焦点にも種類があることを説明する。利点は眼鏡依存度が減る(眼鏡が必要なくなるわけではない)、欠点はコントラスト感度の低下がありこれは眼鏡では矯正できない事を説明する。また、グレア・ハローがでる。欠点よりも利点が魅力的かどうかを確認する。一度眼内レンズをいれたら、そう簡単に入れ替えるか事はできないことを知らない患者さんが多いのでよく説明しておく。多焦点眼内レンズを挿入したあとに耐えがたい不満を訴えられる患者さんは6~7%おられる。これらの方は、視力検査も含め非協力的な方が多く医療者もご本人もアンハッピー。多焦点眼内レンズを単焦点レンズにいつ入れ替えるかが問題になる。坪田教授は1ヶ月で入れ替える方が良いとの報告があると・・。宮島教授は3ヶ月は様子を見ると・・。なかなか難しい問題ですね。さて次は常岡寛教授のフェムトセカンドレーザーがもたらす新しい白内障手術。この器械、数千万円の器械で維持費だけでも数百万かかる。その割にメリットが今のところ少ない。昨日の硝子体ライブ手術ででてきたCAPSULOTOMY FIXATED IOL等が承認されたら少しはメリットがあるか。まだ現実的には眼科医の趣味の領域を出ていないように感じた。面白いと思ったのはグーグルの特許。GOOGLE’S INTRA-OCULAR DEVICE。それと、ミッション:インポッシブルにでてきたのと同じようなデバイスのソニー製のカメラ内蔵コンタクトレンズ。グーグルの方は毛様体の緊張を前房に埋め込んだセンサーが察知して同じく埋め込んだレンズの屈折率を変化させるというほとんどSFに出てきそうなもの。ま、実現はかなり先になるでしょうね。
東京医大の後藤浩先生のご講演はいつもウィットが効いていてとても面白く寝る暇もない。気になったところは皮膚はナイロンでなく7-0シルクで縫っている、(私と同じ)、眼窩脂肪ヘルニア術後は充血が続く。(自験例に照らしてうんうんその通りですね)、眼科プラクティス24の眼腫瘍の本を買うこと。脂漏性角化症はオープントリートメントでオーケー。軟膏で湿潤のみ保つ。結膜悪性リンパ腫は多くはMALTリンパ腫で低悪性度。検査が大事で、検体は3つぐらいに分けて病理、フローサイトメトリー、サザンブロッティングに出す。全て病理に出してしまったら確定診断のつけようがない。前眼部の治療の際には写真を撮っておくことが重要で後の佐々木先生と同じくオリンパスのTG4tough+LEDライトガイドがおすすめ。佐々木先生の先天鼻涙管閉塞アップデートもわかりやすい内容。先天鼻涙管閉塞(congenital nasolacrimal duct obstruction:CNLDO)は生後直後は6~20%に認められるが、1歳までに90~96%が自然治癒する。肺炎球菌、インフルエンザ桿菌が感染症を起こし目脂の原因になることが多い。希だがBRD4-NUT正中癌もある。予後悪い。6が月は様子を見る。6ヶ月の時点でつまっていてもその2/3は自然治癒する。佐々木先生は8~9ヶ月ぐらいでプロービング(いわゆるブジー)をする。涙嚢ヘルニアに注意。3900出生に1例。内眼角直下の暗青色腫瘤、CT/MRIで涙嚢の拡張と下鼻道の嚢腫。両側性もある。保存的治療で70~80%は治癒。CNLDOの5%に弱視が合併する。CNLDの既往者は3~4歳でサイプレが必要。レパミピド涙嚢炎に注意。なんと涙洗では、疎通性あり、CTで写る。チョーク状の結石がある。内眼角部の痛みや違和感があったら通水する。さて、最後の特別講演は面白かった。近藤峰生教授の網膜硝子体分野の知っておくと役に立つトピックス。注目のSLEの薬。クロロキンとヒドロキシクロロキン(プラケニル)は違う。副作用が少ない。ヒドロキシクロロキン(HCQ)のガイドラインは、日本眼科学会雑誌2016年6月号掲載。ヒドロキシクロロキン網膜症は1/10の確率で起きる。累積投与量が200グラムを越えたら要注意。1日投与量を300ミリグラムとすると、2年で219グラムとなる。患者さんが来なくなることが一番怖い。定期検査が必要。投与前には必ず一度検査をしておく。基本的には1/年検診。リスクのある患者さんは1/6ヶ月。累積投与量が200グラムを越えた患者さん(2年間投与)、高齢者(70歳以上)、肝機能障害または腎機能障害、視力障害のある患者、SLE網膜症患者、投与後に眼科検査異常を発現した患者。眼科検査の内容として、視力眼圧、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査(眼底写真)、光干渉断層計(SD-OCT)、視野検査(静的視野計、10度以内、可能ならば30度以内も)、色覚検査(石原式、Panel-D15、SPPのいずれか)。特殊な検査としては眼底自発蛍光、多局所ERG。眼底写真でいわゆるブルズアイになってからでは中止しても遅い。特に重要な検査としては光干渉断層計で、視細胞の外層が傍中心付近で明瞭な途切れがある。この時にヒドロキシクロロキン(HCQ)を中止する。CSC中心性漿液性脈絡網膜症は、自然治癒が多いので3ヶ月は様子を見る。ストレス軽減、禁煙、ステロイド中止など。経過観察で治癒しない場合は中心窩からはなれていれば漏出点にレーザー、中心窩付近であれば半量で光線力学的療法。中心性漿液性脈絡網膜症にたいして、第1世代のスピロノラクトン(商品名アルダクトンA)、第2世代のエプレレノン(商品名セララ)が効く。アルドステロン受容体拮抗作用をもつ高血圧治療薬で、現在5つの国際臨床研究が進行中。1日1回25㎎〜50㎎を内服する。CSCとAMDの鑑別は、脈絡膜厚が400ミリマイクロを越える時はCSC。また網膜色素上皮層が乱れていないときはCSC。手足口病黄斑症がある。(HFMD-maculopathy)肺炎、髄膜炎、脳炎、心筋炎、脈絡膜炎などなど。自然治癒もあるが若年だけ。30歳以上でなると新生血管をともなう黄斑症になり得る。広角OCTは標準の30度から55度まで写るものがでてきたが、これは周辺部の網膜剝離を見逃さない。もうすぐ日本製の高性能広角カメラがでるとのこと。これに関してはメーカー名などは不明。コーワから超高解像度のSD-OCTが出た。抗VEGF薬の脳ー心臓血管イベント副作用は2.2倍の確率で増える。結核性の黄斑浮腫はクウォンティフェロンの測定が助けになる。小型の皮膚電極のERG測定器、Reteval(Retinal evaluaterの略:レチバル)が遠視性内斜視などで治療中の4歳の子供らの網膜疾患のスクリーニングに有用。バイアグラ(シルデナフィル(Sildenafil))の多量摂取は網膜症、色覚異常を起こす。バイアグラ(シルデナフィル)は、生体内で環状グアノシン一リン酸(cGMP)の分解を行っている5型ホスホジエステラーゼ (PDE-5) の酵素活性を阻害する。これが陰茎周辺部のNO作動性神経に作用して血管を拡張させ、血流量が増えることによって機能すると考えられている。この薬は網膜色素変性症には禁忌。

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コメント 1

Nyrpsik

GO!!!
This phrase was said by the first cosmonaut on Earth - Yuri Gagarin. (Yuri Gagarin)
He was the first astronaut on Earth. He was Russian! ...
Now Russia is becoming a strong country, gas pipelines, a vaccine against COVID-19, an army.
Is this very reminiscent of the communist Soviet Union?
How do you think?
Now we have total control in our country. I am interested in the opinion of foreigners.

<a href=http://www.albonumismatico.ru>Албонумисматико</a>

ПОЕХАЛИ!!
by Nyrpsik (2021-05-12 10:59) 

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