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未熟児網膜症とラニビズマブ:2021/01/26

上記本日開催され、拝聴した。
開業医にはあまり縁がない疾患だが、分類、ステージや、ラニビズマブと網膜光凝固の作用機序、適応の差などは知っておいた方がよいだろう。AP-ROPに対しては網膜光凝固よりもラニビズマブの方が効く可能性がある。スクリーニング対象は、在胎32週未満、または出生体重1500g以下は必須。

以下ホームページより。
開催日時 2021年1月26日(火)19:00~20:00
演題1 未熟児網膜症治療のポイント
演者 福岡大学医学部総合医学研究センター 教授
林 英之 先生
演題2 福岡大学病院における未熟児網膜症治療の実際
演者 福岡大学医学部眼科学教室 助教
高橋 理恵 先生
概要 ■林 英之 先生 抄録
未熟児網膜症(ROP)は現在でも周産期失明原因の第一位である。ROPの多くは自然治癒するが、一部の例は治癒せず進行し失明まで含む高度の視力障害に至る。ROPの治療には、長らく網膜光凝固療法が行われてきたが、治療抵抗例があることや、治療後の近視化などの合併症が知られてきた。最近、第III相臨床試験であるRAINBOW試験が行われた結果、ROPに対する抗血管新生因子(VEGF)薬ラニビズマブ硝子体注射の使用が認可された。ラニビズマブは強力な効果を示し合併症が少なく、今後のROP治療に大きな役割を果たすと期待されている。今回の講演では、ROP疾患概念・病態、RAINBOW試験結果、ROP治療のポイント、治療介入のタイミング 成人と未熟児における投与手技の違いなどについて述べる。
■高橋 理恵 先生 抄録
ラニビズマブが未熟児網膜症に対して2019年11月に承認されてから1年経過し、光凝固療法以外の治療選択肢として広く認められている。ラニビズマブ硝子体注射の効果は極めて強力で即効性があり、重症例に対する治療効果が期待できるとともに、光凝固後の合併症とされている高度近視、視野狭窄発生の可能性が低くなると期待されている。しかし注意すべき点として、ラニビズマブ注射後にいったん網膜症が軽減した後に、一定の割合で再燃して、追加治療が必要になる症例があることが知られている。この追加治療のタイミングを見逃さないことがラニビズマブ硝子体注射治療の結果を左右するといっても過言ではなく、そのためには術後の経過観察に注意が必要である。本講演では抗VEGF注射後の経過、ならびに当院での硝子体注射治療の実際と新生児科との連携について解説する。
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