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顕微鏡や天体望遠鏡の双眼装置について:2021/07/23

梅雨明けにいきなり全国的に大気の安定した状態が続いている。
口径40㎝を生かせる大気の状態は日本では無理だと思っていたが、稀にこの季節はそうでもないこともある。
天体などの無限遠のものを両眼視で見ても視差が生じないので立体感は得られない。それでも双眼装置で天体を観察するのは擬似立体感が得られるというメリットを期待するためだ。医療用の顕微鏡も最近ではほとんどの機種に双眼装置が付いている。顕微鏡の双眼装置も視差がないビームスプリッターによる双眼装置を使用しているため立体視はない。擬似立体以外に、われわれ年配が対象物を観察する際のメリットとして、白内障・飛蚊症などの眼の中間透光体が多少濁ってきても2つの眼で対象を見るため片方の収差や濁りが両眼で相殺されて心地よく観察できるという点だろう。
私自身は若い頃から飛蚊症に悩まされており眼科に興味を持った動機にもなっている。それもあって40年前から双眼装置に凝っている。

 所有している双眼装置として、
1,アトムの双眼装置(40年前のもので双眼顕微鏡に一般的に使われているもの:眼幅を変えるとピントの位置も変化するため多人数で観察するには適さない)
2,テレビューのビノビュー
3,笠井の唯一双眼装置でビームスプリッターを使用していない双眼装置(Kasai ELS双眼装置)
4,ドイツのバーダー究極双眼装置、
5,ImDIYgoの2インチ双眼装置(星雲星団広視野用でイーソス17㎜、オルソ55㎜まで使用可)

惑星の眼視という用途に限ればお手軽な笠井ELSを頻繁に使用する。これは他方の接眼部からの迷光が他方に侵入するので周囲が明るい昼間などでの太陽観察は注意が必要。マニアでも知っている人は限られるがこの双眼装置は地上に用いると視差を生じ逆立体となる。この逆立体の異次元感覚は特筆もの。またピントの位置が単眼とほぼ変わらないため光路長を考える必要が無くそういう意味でお手軽。ただし実視界が狭い傾向にあり低倍率が苦手。
 各双眼装置の肝心の見え方だが、難しいことを言わなければ私ぐらいの年齢になるとどれもさほど変わらないのではないか?(少なくとも私には・・)。バーダーは重厚でしっかりしているが、重くて接眼部に負担がかかる。しかしコーティング、ビームスプリッターの口径の大きさ・純正リレーレンズは良く出来ているため、満足できる逸品。シュミカセは光路長が長くても使えるのでリレーレンズの必要性はまずないが、一般の鏡筒には双眼装置を付けると筒外焦点の長さが足りなくなるのでバーダー+純正リレーレンズが良い。もちろん良質のバローレンズを使えばテレビューの双眼装置も光路長を稼げるので良い。ビノビューは重さも軽めなので接眼部に負担が少ない。私にとっては5つともなくてはならない双眼装置。使用する望遠鏡の接眼部のつくり、光路長、倍率と使う接眼鏡の種類などを総合して5つを使い分けている。
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