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悪性緑内障周辺虹彩切開術後

前房が浅く周辺虹彩切開術後の患者さん。隅角が閉塞してきたので白内障の手術をして根本治療としたが、それでもなお隅角が狭くPASを起こしてきた。白内障の手術時にはチン小帯が弱いためCTRを入れた。しかし白内障術後から徐々に隅角が狭くなり、悪性緑内障と考えられた。まず、ヤグレーザーにて後嚢を切開、PIから後嚢をYAGにて切開したがそれでも隅角は狭いまま。ビトレクトミーが適切と考え、施行した。コアビトレクトミーを施行するも前房は深くならず前後房の交通がないと考えられた。PIの部分の前部硝子体を切除したところ前房に硝子体液が回ってきてようやく前房が深くなった。CTRがかえって前後房の交通を遮断しているようにも感じた。念のためにPIの部分から前房側よりカッターを挿入して念入りに硝子体及び、後嚢を切除した。瞳孔は小さく全く散瞳しないので、27ゲージ内視鏡を用いて施行した。

この状態で最大の散瞳状態。
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リサイトよりも、ミニクワッドのほうが見やすい。とくに瞳孔が小さい場合にはそう感じる。ただエックスワイの操作が慣れないと難しい。
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PIの部分から前房より後房硝子体中にかけてカッターで貫通、硝子体、後嚢を切除した。これにより前房が明らかに深くなった。
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その時の内視鏡所見。後嚢の一部がカッターの頭にひっかかってテント上になっているのがわかる。この膜を残しておくとまた閉塞するので広く大きく切除した。内視鏡で見るとCTRがめいっぱい広がって完全に水晶体囊と毛様体がくっついているのがわかる。
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CTRの動画。青い線がCTR。27ゲージのポートが見えているが画面上その右側に青いCTRが見えている。


この患者さんの白内障術後、硝子体手術術前の同眼のUBM。360°ではないが、隅角は一部完全に閉塞している。眼圧は高くはないが左右差がある。
UBMの写真に、CTRの断面が見える。この場合は、CTRはチン小帯よりも後ろの硝子体エリアと前後房の交通を遮断する効果があるのではないか。
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