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第22回硝子体手術ビデオセミナー:2023/06/25

東京、品川にて
上記開催され出席した。

以下、プログラム
主催:網膜硝子体手術研究会
代表世話人:日下俊次(近畿大学)
世 話 人:井上  真(杏林大学)
門之園一明(横浜市立大学)
瓶井 資弘(愛知医科大学)
鈴間  潔(香川大学)
馬場 隆之(千葉大学)
前野 貴俊(大阪大学)
顧   問:大路 正人(滋賀医科大学)
小椋祐一郎(名古屋市立大学)
北岡  隆(長崎大学)
寺﨑 浩子(名古屋大学)
平形 明人(杏林大学)
山本 修一(地域医療機能推進機構)
      ※五十音順
監   事:竹内  忍(竹内眼科クリニック)

8:30~8:55 ①基本セッティング
 井上 真(杏林大学)


手術は準備から始まります。基本セッティングは手術の基本でありながら手術を安全に遂行するためには必要条件になります。術式だけではなく基本セッティングや手術器具にも各術者の工夫があります。使用している手術顕微鏡、広角観察システム、硝子体手術装置などの設定を細かく検討しますが、最近はヘッズアップ手術の設定をどうしているかの項目も増えています。症例の難易度や術式についてもセッティングは変わってきます。手術の開始時のセッティングのみならず様々な場面でのセッティングをどうするかなどを解説します。


8:55~9:55 ②セッションⅠ「黄斑手術」【領域講習0.5単位】

「黄斑前膜・黄斑円孔」
 寺島 浩子(新潟大学)


黄斑疾患の中でも黄斑前膜や黄斑円孔は代表的な疾患です。そのため硝子体術者のビギナーからエキスパートまで手術を行なう機会が一番多いと思います。手術手技は標準化され一見シンプルに思えるのですが、基本的に視機能回復を目的とした手術であるため、手術適応の判断、黄斑部操作の方法、内境界膜剥離の是非など多くのおさえておきたいポイントがあります。最近では高齢化に伴い緑内障合併の黄斑疾患の硝子体手術も話題です。最近の知見を踏まえて画像診断や術後の視機能にもフォーカスして解説します。


「その他の黄斑手術」
 前野 貴俊(大阪大学)


硝子体手術の適応となる黄斑疾患には、強度近視に伴う黄斑分離や黄斑円孔網膜剥離、加齢黄斑変性に伴う黄斑下出血や出血性網膜剥離、抗VEGF治療に抵抗する黄斑浮腫などが存在します。また網膜硝子体手術に伴う合併症でも黄斑部に影響が生じることもあります。これらの病態への治療戦略も網膜硝子体術者にとって必要と考えますので、本項で症例を提示して解説します。


10:10~11:10 ③セッションⅡ「網膜剥離」【③~④で領域講習0.5単位】

「バックリング」
 坂口 裕和(岐阜大学)


昨年は、バックリングの理論と最近の適応、手術手順、復位率を上げる工夫、特に眼底観察のコツ等を解説しました。今年は、バックル材の選択、マットレス縫合のコツ、排液のコツなど、具体的な手技をビデオを交えて解説します。硝子体手術が術式として選ばれることが多いと思います。適応が正しければ良いと思いますが、バックリングに自信がないからと言う術者側の理由で、硝子体手術が選択されてはいけません。バックル手術も自由に使いこなせたうえで硝子体手術を選択する達人を目指しましょう。


「硝子体手術」
 日下 俊次(近畿大学)


網膜剥離に対して硝子体手術が選択されることが多くなっています。強膜バックリング法より眼底の視認性が良く、取り組みやすいことが要因かと思います。しかし、網膜剥離に対する硝子体手術は適応を慎重に検討し、要点をしっかり押さえておかないと悲惨な結果となってしまうリスクがあります。本講演では裂孔原性網膜剥離に対する硝子体手術でマスターすべき基本手技(ポート設置、周辺部硝子体切除、液空気置換、眼内光凝固、ガス(シリコーンオイル)タンポナーデ等)について解説します。


11:10~12:10 ④パネルディスカッションⅠ:「Mysterious Case」
モデレーター:門之園一明(横浜市立大学)


映像から得られる情報には、時に脳裏に焼きつけられるものもあります。パネル1では、実際の遭遇した演者の症例を先生方と共有し、示唆にとむコメントを時に辛辣な討論を交えたいと思います。
会場内にてご質問を募集し、モデレーター・講師陣にて回答予定です。


13:10~13:30 ⑤Hot Topics from Industry
 


硝子体手術関連企業からイチオシの製品を紹介して頂きます。最新の、知っておくべき機器に関する情報が得られます。


13:30~14:55 ⑥セッションⅢ「 網膜血管障害・その他」【領域講習0.5単位】

「水晶体関連」
 馬場 隆之(千葉大学)


本邦では水晶体混濁が見られる硝子体手術症例に対して、硝子体・白内障同時手術が多く行われます。眼内レンズ挿入に関連した手術の要点を再確認したいと思います。また、白内障手術手技の向上に伴い、多くの難症例で眼内レンズ挿入まで完遂することが出来るようになりました。チン小帯脆弱例でも眼内レンズ挿入が可能となった一方、眼内レンズ脱臼も比較的頻繁に遭遇するようになりました。眼内レンズ脱臼の症例では、眼内レンズ摘出と眼内レンズの再固定が必要となります。眼内レンズ摘出時に角膜内皮障害を生じやすく、安全な眼内レンズ摘出方法が求められます。眼内レンズの固定法としては、強膜固定が多く行われます。強膜固定の合併症とその対処法を含めて解説します。


「糖尿病網膜症」
 鈴間 潔(香川大学)


難症例の増殖糖尿病網膜症の手術は硝子体切除、PVD作成、周辺処理、黄斑部処理、止血、増殖膜処理、網膜復位、光凝固などほぼすべての操作が必要になります。術前に眼底が見えないことも多いので入念な準備が必要ですが、きれいに治療できたときは喜びもひとしおです。膜処理のキーワードは「周辺側のPVD作成」、「膜分割」、「真の間隙」です。糖尿病網膜症に挑戦し硝子体手術のフルコースをマスターしましょう!


「外傷・眼内炎」
 門之園一明(横浜市立大学)


外傷は穿孔性眼外傷、非穿孔性眼外傷に分かれます。COVID時代になり穿孔性眼外傷は減少しています。一方、鈍的外傷は多く見られその的確な対応が必要です。ここでは、鈍的外傷のPVR 症例を提示します。また、術後感染症に対する対策も症例を提示して紹介する予定です。


15:10~16:10 ⑦パネルディスカッションⅡ:「合併症」【領域講習0.5単位】
モデレーター:日下 俊次(近畿大学)


硝子体手術関連機器の進歩により、以前は高率にみられた合併症の頻度はかなり低下していると思われます。しかし、合併症は油断した頃に遭遇してしまうものです。初めて見る(あるいは経験する)合併症だと、何が起こっているのか、どうしてこのようなことが起こっているのかとパニックになってしまい、適切な対処ができないかも知れません。エキスパート達が経験した合併症とその対処法を共有することができれば、“怖いものなし”となるはずです。

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