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第30回栃木眼科セミナー:2024/02/16

上記19時より開催された。拝聴した。
演者:眼内レンズ選択を含めた硝子体手術戦略
自治医科大学眼科学講師 新井悠介 先生
座長:自治医科大学 眼科学 主教授 川島 秀俊 先生
演者:抗VEGF時代のアンメットニーズ、糖尿病黄斑虚血(DMI: Diabetic Macular Ischemia)
北海道大学医学部 眼科学 主教授 石田 晋 先生

印象
増殖糖尿病網膜症(PDR)の手術戦略
基本戦略
・増殖膜の活動性が高い場合は布前アバスチン投与を検討
・後極部で裂孔を形成しないように細心の注意
・PVDが不完全な場合は、シリコーンオイル注入を検討

糖尿病は正常に比べて(緑内障ほどではないものの)、GCL体積と内層血管密度が相関しながら低値である!
血流密度が低下しても、蛍光漏出が多い領域では、少ない領域より網膜感度は低下していない!
VEGF阻害はモグラ叩きであるがモグラ(VEGF)は出続けるうちに枯渇する。
虚血に陥った細胞を兵糧攻め!
レーザー:時間とお金をかけない thermal burn
抗VEGF:時間とお金をかけた biochemical burn

DMIに対して期待される治療戦略
虚血網膜に対して代償性のphRVではなく異所性のpaNVが起こる病態メカニズム:
硝子体へ浸潤した白血球がVEGF165を放出することによる血管新生の方向転換
病理的アイソフォームVEGF165の炎症性サイトカイン作用を選択的に阻害
血管新生の誤った方向転換を是正しながら、白血球塞栓をも抑制
網膜血管の再構築・再灌流

虚血領域で網膜感度が残存しているエビデンスが得られており、DMIの病態には積極的に治療介入可能な期間がある。しかし、介入時期を判断する臨床指標は確立されていない。
既存の抗VEGF薬では網羅的にVEGF-Aアイソフォームを抑制してしまうことより、虚血領域への網膜血管の再構築を引き起こすことは期待しがたい。そこで、DMIの治療コンセプトに合致した新しい治療戦略が必要である。
DMIの治療コンセプトとして、paNVを抑制しながら、無灌流領域へphRVを誘導するための標的分子としてNrp1およびSema3Aがある。これらの標的分子に対する抗体製剤の可能性を示す非臨床試験での生物学的根拠が既に得られており、臨床試験も開始されている。
抗VEGFもPRPも、長期間で見ると網膜内層が萎縮する。
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