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ウェブカンファ:当院における糖尿病網膜症の治療方針:2020年2月17日(月)

本日19時より上記開催された。
演題は、当院における糖尿病網膜症の治療方針で、演者は、近畿大学奈良病院 准教授 杉岡 孝二 先生
糖尿病有病率は10−19%、DMR有病率は、10−23%、糖尿病罹患5年で、DM患者のうち、7.5%に網膜症発症。HbA1c7.0%以上で70%に網膜症発症している(久山町研究)。福田分類でA1は、経過観察、A2とB1はPCの可能性ありFA要する。B2,B3は、PCが必要。B4(硝子体出血)B5(増殖組織)は、何れ硝子体手術が必要で可能な限りPCする。改変Daivs分類:単純網膜症 毛細血管瘤、点状出血、硬性白斑、網膜浮腫。
増殖前網膜症 IRMA, 軟性白斑、静脈異常。
増殖網膜症 新生血管、硝子体出血、網膜前出血、増殖膜、網膜剥離。
国際重症度分類 網膜症なし(異常所見なし)、軽症非増殖網膜症(網膜血管瘤のみ)、中等度非増殖性網膜症(毛細血管瘤以上の病変を認めるが重症非増殖網膜症よりも軽症)、重症非増殖網膜症(下記の何れをみとめるが増殖網膜症の所見を認めない)
1,眼底4象限のいずれにも20個以上の網膜内出血がある。
2,眼底2象限以上で明瞭な数珠状静脈がある。
3,眼値1象限以上で明瞭な網膜内細小血管異常がある。
増殖網膜症(新生血管または硝子体/網膜前出血のいずれかを認める。
当科(近大奈良病院)における糖尿病網膜症患者の受診頻度
単純網膜症(SDR)は4−6か月に1回
PPDRは、2−3か月に1回
PDRは1か月に1回
ただし、HbA1cが高値の場合はそのかぎりではない。
PDRに対する硝子体手術の適応
絶対適応:改善傾向のない硝子体出血
網膜光凝固未治療の場合は、1−2か月以内に手術を要する。黄斑部に及ぶ牽引性網膜剥離。
場合によっては施行する:DMEがあり、ERMや硝子体黄斑部の牽引が強い場合。
全例手術日の1日前に抗VEGF剤注射を施行する。また全例ILM剥離を実施する。
PRPの適応
PRP後のDMEの出現率は、28%。
PRP前に明らかなDMEがある場合は、抗VEGF剤の注射をして1週間後からPRPをする。
PRP前にDMEがない場合は黄斑部近くの毛細血管瘤の局所凝固、その後下方から順にPC施行。
近大奈良病院では導入期1か月ごとに3回+PRN
中心網膜厚が350μm以上を注射基準とする(視力は基準に含めず!!!)
抗VEGF薬のDME以外の抑制効果
毛細血管瘤の減少、網膜症の進行の抑制、将来硬性白斑になるHyper-reflective fociの減少。
抗VEGF薬の問題点
1,薬効が一時的、繰り返し注射を必要とする。
2,無反応例の存在
3,牽引性網膜剥離を発症する(だから、手術1日前に抗VEGFをうつ。)
4,長期投与で網膜萎縮を引き起こす可能性。
抗VEGF薬で十分な効果が得られなかった症例に対する代替え治療として、
他の抗VEGF薬に切り替え→優位な効果がなし
ステロイド硝子体注射、硝子体手術→改善あり、としたMAGGIO Eらの論文。
近大奈良病院では、STTAもしくは、STTA+低侵襲閾値下レーザー。



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