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第12回栃木ぶどう膜炎カンファレンス:2023/09/22

本日上記開催された。19時より21時まで。拝聴した。
プログラム
【ミニレクチャー】
座長 大久保 彰先生 ( 医療法人雄三会 おおくぼ眼科 院長)
「原田病と鑑別を要する病態と治療について
〜急性緑内障、乳頭炎、後部強膜炎」
自治医科大学 眼科学講座 講師 渡辺 芽里 先生

【特別講演】
座長 川島 秀俊先生 (自治医科大学 眼科学講座 教授)
「バイオの時代のぶどう膜炎診療~他科連携の重要性~」
独立行政法人地域医療機能推進機構大阪病院 眼科診療部長 大黒 伸行 先生

要約および印象に残ったこと
原田病でプレドニン内服漸減中に、骨粗鬆症、大腿骨頭壊死症を発症することもある。メチルプレドニゾロンの1gパルス療法後、プレドニン内服40㎎からの漸減療法をすると、1クールで5745mgのプレドニンを内服することになる。2クールやると骨粗鬆症になる量をオーバーしてしまう。
原田病は指定難病ではないので生物学的製剤を治療に使うと負担するお金がたくさんかかる。急性緑内障発作と原田病の鑑別が必要。前房の深さの左右差に注意する。ヒュミラ(アダリムマブ)を原田病に使用することもある。シクロスポリンは薬価が高い。(薬価は25mg1カプセル114.8円:〈シクロスポリン:ベーチェット病及びその他の非感染性ぶどう膜炎〉
通常、シクロスポリンとして1日量5mg/kgを1日2回に分けて 経口投与を開始し、以後1ヵ月毎に1日1~2mg/kgずつ減量又 は増量する。維持量は1日量3~5mg/kgを標準とするが、症 状により適宜増減する)
TNF阻害薬の適応疾患はインフリキシマブ、アダリムマブそれぞれ
において以下の如く定められている。
・インフリキシマブの適応:
ーベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎において、既存治療で効果
不十分な患者
・アダリムマブの適応(承認内容により変更の可能性あり)・・・前眼部炎症(前部ぶどう膜炎など)には適応無し
次のいずれかの状態を示す非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎
・ステロイドでは効果不十分な患者
・ステロイド依存性でステロイドの減量を必要とする患者
・ステロイドによる治療が不適切な患者

強膜炎が治らない場合はリウマチと病名をつけて、インフリキシマブを使用する。リウマチの方でエタネルセプト使用の方は強膜炎発症することもある。トシリズマブ(IL-6ブロック)を使うと改善する。
サルコイドーシス・ベーチェット病は原田病と違って難病なのでアダリムマブが使いやすい。
粟粒結核が前房に来た症例の呈示あり、びっくり。ツ反は陰性になる。(実は結核とサルコイドーシスの合併)
原田病はコロナワクチン後になる事がある。ヘルペスは関係が無い。杉田先生によるアデノウィルス感染による急性網膜壊死の報告があった。
ケナコルトが反応しないMEを伴うサルコイドーシスには早めにアダリムマブ。難病なので使いやすい。

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