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ぶどう膜炎診療の基本的知識:後藤浩先生のご講演:2023/09/01

19:00-20:00上記拝聴した。
以下プログラム
ぶどう膜炎診療の基本的知識
座長:獨協医科大学 眼科学教室 石井 洋次郎 先生
演者:東京医科大学 臨床医学系眼科学分野 主任教授 後藤 浩 先生

要約・印象
いつもとてもたのしいご講演で楽しみにしている。
PCRが診断に有用なのは15%の感染性のぶどう膜炎のみ。
自信が無ければ超広角で写真を撮っておく。
治療の基本セットは、リンデロン2回〜6回、ミドリンMを1回から3回点眼。
フルメトロンは眼内に移行しないので意味が無い。抗菌薬は一切不要(有害!)炎症が遷延しそうな場合はミドリンMを長期処方。小児の場合は特に眼圧上昇に注意。

 激しい場合:基本セットと、リンデロンの結膜下注射、アトロピン(1から2回)もしくは散瞳薬の合剤の結膜下注射!。強い毛様充血と眼痛の訴えがあるときだけNSAIDsの内服薬を処方。

Koeppe, Bussaca, 隅角結節はサルコイドーシス、ACE、ILレセプターのオーダー。

大きめだが脂ぎっていない整然としたKP、後に色素を含んだKPは、ヘルペス性虹彩炎。

中央の下に限局したKP,高眼圧、隅角色素減少は、Posner-Shlossman症候群。患眼は隅角色素減少が特徴的。

PS症候群とよく似ているのが、輪状・円形のKP(coin lesion)、高眼圧、内皮減少は、サイトメガロウィルス虹彩炎。(角膜内皮炎)

情報まで伸びる小さいKPs、患眼の虹彩萎縮、紋理が粗造、はFuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎。散瞳前に見比べる。若い人の後嚢下白内障はこれ。
斑状の虹彩萎縮は、HSV虹彩炎、帯状の虹彩萎縮は、VZV虹彩炎。

前房蓄膿を見たら、
感染性(転移性、術後眼内炎)、ベーチェット病、急性前部ぶどう膜炎。

PVDが起きていない症例は感染症は重篤になる。潰瘍性大腸炎は定期的に前房蓄膿を来す症例もある。とにかく感染性眼内炎を鑑別しなくてはならない。

妊娠高血圧症候群・・原田病と鑑別要する。

世間一般常識とは異なり、PGは虹彩炎でも使用できる。グラナテックが良い可能性もある。
リンデロンは1回として止める。その後のフルメトロンは止めた方が良い。意味が無い。
小児の場合はミドリンMのみをつづける。
子供にアトロピンの結膜下注射は止めること。ミドリンPにする。
桐沢型にレーザーは禁忌。幅広のバックリングを置く。
リンデロンを一時間おきに点して駄目なら、プレドニン20から30㎎の内服を躊躇無く使う。
ARNはオイルの抜去は4から6ヶ月後にする。


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