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第12回 栃眼医獨協眼科病診連携の会:2023/10/20

上記拝聴した。
プログラム
開会の辞:吉澤 徹 先生 栃木県眼科医会 会長 
座長:妹尾 正 先生 獨協医科大学 眼科学教室 教授 
【特別講演 I】(19:30 - 20:30)現地講演
『ぶどう膜炎診療?現在の立ち位置』
 演者:川島 秀俊 先生 自治医科大学 眼科学講座 教授
【特別講演 II】(20:30 - 21:30)現地講演
『ぶどう膜炎診療?最新の話題とこれから』
 演者:蕪城 俊克 先生 自治医科大学附属さいたま医療センター眼科 教授

印象:強膜炎と辺縁系脳炎を発症した再発性多発軟骨炎の1例は要注意。希だが注意。
アダリムマブ(ヒュミラ[レジスタードトレードマーク])
非感染性ぶどう膜炎に対し再燃までの期間延長、活動性のない症例が増加、黄斑浮腫が減少、視力が改善
ステロイド内服量の減量が可能
2016年9月承認

COVID-19ワクチン後のぶどう膜炎
近年COVID-19 ワクチン後のぶどう膜炎の報告増加。
ぶどう膜炎以外にも、角膜移植後拒絶反応、CRVO、CSC,顔面神経麻痺、Basedow病などの報告例あり。
Ng XL, et al.Ocul Immunol Inflamm. 2021;29:1216-1224
COVID-19ワクチン後のぶどう膜炎のメタ解析
2022年7月までの文献から1526 例を抽出。
女性(68.93%)、41-50歳(19.71%),初回ワクチン後
(49.35%)、Pfizer社 (77.90%)。急性発症(71.77%)、
片眼性(77.69%)、前部ぶどう膜炎(54.13%)、ぶどう膜炎初回発症(69.92%)。VKH病様の症状。
Cherif YYS, et al. Vaccines (Basel). 2022;11:69

インフルエンザワクチンの合併症
インフルエンザワクチン後の神経免疫疾患の報告が多数あり
Guillain-Barre症候群、多発性硬化症、重傷筋無力症、急性散在
性脳脊髄炎(ADEM)、視神経炎など
Garg RK, et al. Neurol Sci 2022:43(1):3-40
インフルエンザワクチンでGuillain-Barre症候群の発症リスクが
約2倍
Vellozzi C, et al. Clin Infect Dis. 2014;58(8):1149-55
インフルエンザ感染自体もGuillain-Barre症候群の発症リスク
(OddsIt7'#)
ワクチンのrisk/beneftの評価は注意を要する
Stowe J, et al. Am J Epidemiol. 2009;169(3):382-8
Stowe J, et al. Am J Epidemiol. 2009:169(3):382-8

IL-6とぷどう膜炎黄斑浮腫(UME)
1-6はB細胞を形質細胞に分化させるサイトカインで、他にも様々な薬理作用を持ち、炎症・自己免疫疾患の病態において中心的役割を担う。
橋詰美里ら、日薬理誌144:172-177,2014
ぶどう膜炎の眼内液中で上昇 vegas-Revenga.N.tal.Am J. Ophthamno.2019.200.85-94.
眼血液柵の破綻仁関与
Mesquida M. et al. Transl Vis Sci Technol. 2019;8(5):32.
UMEの形成に関与
Normal retina
Yang JY, et al. Int J Mol Sci. 2023;24(5):4676.

10年後のぶどう膜炎診療の予想(診断)
網羅的PCR検査は保険適応となり、どこの診療施設でも可能になる。(可能性100%)
病原体DNAのメタゲノム解析による病原体の同定の臨床応用が拡大しているだろう。(可能性80%)
眼底写真、FA、OCT像からぶどう膜炎の原因病名を推測するAI診断が開発されるだろう。(可能性90%)
ぶどう膜炎の様々な疾患の眼内液中のRNA、タンパク、代謝産物などのマルチオミクス解析により、それぞれの疾患の病態の違いの究明が進む。(可能性90%)



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