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私の写真が表紙に載りました

眼科医会表紙-small.jpg

私の撮った写真が栃木県眼科医会会報の表紙になりました。左から火星、木星、土星で下が太陽です。一見、絵のように見えますが写真です。なんとなれば少し強めの画像処理だからなのですが、表紙ならこの程度でちょうど良いでしょう。
 木星の写真は雑誌に入選したものです。各天体の地球から見た見かけの大きさを統一してあります。小さなお子さんの望遠鏡でも倍率が30倍あれば土星の輪を確認できます。下のサイトを参考にご覧になってみてください。星などの遠方を見ることは眼にも良いことがわかっています。
http://www.astroarts.co.jp/special/2022saturn/index-j.shtml

 各惑星を別々に撮影してから、太陽の写真のバックの空に、各惑星の写真をはめ込みました。
下がデータです。細かいことを言うと望遠鏡の口径がインチ表示なので、雑誌の中のデータのセンチ表示と違って半端な数になっていますがご愛敬。
秋にはコロナが収まってゆっくりと外でこれらの見頃の星を見たいものです。

以下、データ、及び同誌に掲載された説明

今年の晩夏から秋にかけて見られる惑星と太陽の大きさ比較
太陽と、太陽系の明るい惑星をアマチュアの天体望遠鏡で撮影。左から「火星」「木星と衛星」「土星」です。別々の日に撮影した画像を同縮尺で並べたもので、見かけの大きさそのままの比率で並べました。木星の周囲にある3つの小さい円板像は木星のガリレオ衛星(月)で左からエウロパ、イオ、ガニメデです。衛星の模様も写っています。木星には象徴となる大赤斑がありますがこの写真では裏にあり写っていません。土星には望遠鏡で観察すると輪にいくつもの隙間がありますがこの写真にはその一部が写っています。火星は2年2ヶ月毎に地球に接近します。この写真は前回2020年に接近した際のものです。その際には、火星人が造った運河があると昔大騒ぎになった複雑な模様が観察可能で非常に興味深いです。火星は今年の11月ぐらいから明るく赤い光を放ち夜空で目立ってきます。12月1日に地球に最接近します。
太陽活動は11年周期で変動します。今後数年間は徐々に活発になる時期です。太陽の表面で太陽フレアという爆発現象が発生すると、X線の放射、高エネルギー粒子の放出が起こり、電波障害が起きたりGPSなどの衛星を使った測位に誤差が生じたりします。過去には大規模な停電が起きたこともあります。それらの障害を軽減するためにも、最近注目されているいわゆる宇宙天気予報が必要とされています。この写真にはフレアは写っていませんが、太陽を観察していると頻繁にフレアを見ることができます。宇宙天気が荒れて障害が起きるのは困りますが、フレアが起きた際には時々刻々と変化するフレアをリアルタイムで太陽望遠鏡にて観察できます。

以下、写真の画像処理についてです。大気の揺らぎがありますので、画像処理で多数の画像を加算平均してあります。加算平均や補償光学の技術はアマチュア天文家の間では眼科医療器械に応用されるよりもかなり前から一般化されています。最新の眼科器械にこれらの技術が応用された際には驚くとともに親近感を感じました。AviStack2, AutoStakkert!3, RegiStax6などの加算平均ソフトは簡単にダウンロードできるフリーソフトです。木星の画像は天文雑誌に入選したものです。

撮影データ
太陽: 撮影日時:2021年8月6日 撮影機材:LUNT LS230THa D230mm FL1610mm F7エクステンダー (合成4830mm F21) カメラ:ZWO ASI174MM にて撮像し、500コマをAviStack2で加算平均。ステライメージ, PhotoshopCS5,RegiStax6で画像処理。

木星: 撮影日時:2021年8月2日 撮影機材:Meade 16" D400mm FL3200mm F8 エクステンダー (合成7680mm F19.2) カメラ:ZWO ASI462MC Gain197 27msec 5000コマの良像66%をAutoStakkert!3で加算平均。ステライメージ9(最大エントロピー法), PhotoshopCS5,RegiStax6で画像処理。

土星:撮影日時:2021年8月3日 撮影機材:Meade 16" D400mm FL3200mm F8 エクステンダー (合成7680mm F19.2) カメラ:ZWO ASI462MC 5000コマの良像66%をAutoStakkert!3で加算平均。ステライメージ9,PhotoshopCS5,RegiStax6で画像処理。

火星:撮影日時:2020年10月13日 撮影機材:Meade 14" D356mm FL2845mm F8 エクステンダー(合成6720mm F19.2) カメラ:ZWO ASI462MC 5000コマの良像66%をAutoStakkert!3で加算平均。ステライメージ9, PhotoshopCS5,RegiStax6で画像処理。
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