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東⽇本RVO Update日時: 2021年8月22日(日) 10:00 ~ 11:30

上記開催され、拝聴した。
総合座長
町田繁樹先生
埼玉医療センター眼科教授
トピックス講演
寺島浩子先生 新潟大学医歯学総合病院眼科学分野講師
『非侵襲的黄斑虚血の評価法とOCTによる治療予測』
松井良諭先生三重大学大学院医学系研究科眼科学助教
『AIやビッグデータによる視力予後(仮) 』

特別講演
三重大学眼科教授 近藤峰生先生
『ZIPANGU試験から今後の治療を読み解く』

全体的な印象:
近藤先生をはじめZIPANGU試験に参加された先生方は、村田先生を除きほとんどがRVOに対してはレーザーは否定的。近藤先生によると国際的にもレーザーは否定的。虚血型CRVOにたいしてもレーザーしないという。(日本は20%、海外は6%前後!!)なのに日本の眼科臨床医の意見としてはレーザーを捨てがたい印象。レーザー治療に固執している感じすらある。これはなぜか・・。恐らく抗VEGFの薬代が高すぎることに原因があるのではないか。アバスチン、マクジェン、ルセンティス、アイリーアなどの抗VEGF剤は全て海外製品。1本0.05mlしかないのに15万円前後と、日本の眼科医療費を大きく圧迫している。せめて国産ならまだあきらめもつくがこれが現状。ワクチンもそうだが日本はいつの間にか医療後進国に成り下がってしまった。
半年間再発しなかったら注射卒業。基本1年間は毎月診察する。2年目は2から3ヶ月に一度診る。黄斑浮腫がなくなったら2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と伸ばしていく。

個別の印象:
寺島先生:抗VEGF治療後1ヶ月のOCT所見で予後がだいたいわかる。OPLに波うっていると予後悪い。虚血が強い方が注射回数が少ない。
近藤峰生先生:ZIPANGU試験は、レーザーは効くという信念をお持ちだった村田先生の発案で始まった!ただしその前に既に400眼オーバーのブライター試験で余りレーザーは効かないという風潮があった。ZIPANGU試験は、59例参加。欧米では3+PRN。日本の眼科医は9割が1+PRN。選択基準は、視力は、BCVAが0.05〜0.5、中心窩網膜厚が300を超える。Macular BRVOは除外。発症から6ヶ月以内。再投与基準は、中心窩網膜厚が300μ以上。中心窩網膜厚が最低値の20%以上となった場合。グリッドレーザーとダイレクトレーザー。中心窩から500μを超える領域の漏出点をダイレクトレーザー。Maは直接つぶす。出血が濃いときには出血が注射後に退いてからレーザーする。抗VEGF注射後1ヶ月後にレーザーすることが多かった。毛細血管瘤もレーザー。マップで赤く描出されるところには再レーザー。いわゆる日本人がやるしっかりしたレーザーを1年間する。レーザーは平均3回している。(1回から7回)スポットのサイズは50−100μ。時間は短めで0.02−0.03秒。
ZIPANGUの結果・・・注射回数は、注射単独・レーザー併用群の両群とも、4本前後で、全く差は無かった!!中心窩網膜厚平均変化量も全く変化なし!!むしろ、ベースラインからのBCVAからの平均変化量は、注射のみの方が22文字でよかった。(15文字改善は少数視力が、2倍になる)。既報に比べて視力の改善結果が良かった理由は、治療開始までの期間が短い。ベースの視力が低い。はじめの視力が悪かった人を集めると特に有意差が付いた。はじめの1年間は注射のみで押していった方が視力の悪い人は予後が良い。
理由は、レーザーするならもっと中心窩に近いところまでレーザーすべき。レーザーがかえって炎症を惹起した。
課題:
1,BRVOでは1年以降もレーザーをしなくていいのか?:1年後に症例によっては黄斑付近に毛細血管瘤や硬性白斑ができる。その場合はMaにレーザーする。Maは3M〜12Mで検出される。PCで網膜厚は薄くなるが視力は同じ。
2,周辺部のNPAにしっかりレーザーしたら黄斑浮腫に対して効果があるか。:ブライター試験でもジパングでも黄斑レーザーは効果はなし。周辺レーザーは、RELATE trialは、周辺のNPAにレーザーをした試験。このスタディでも(Campochiaro)、レーザーすると網膜腫れるし視力も悪い。硝子体出血の予防に関しては黄斑レーザーは効果なし。周辺レーザーは、NVの発生も硝子体出血も約半分に減らすことが出来る。レーザーしてもNV発生は22%が12%になる程度。さらにそこからVHの%はさらに低い。しかしRVOの硝子体手術は結構合併症が多く大変。ただし、抗VEGF薬を注射しているとVHになかなかならない。海外の先生はいまはほとんどレーザーは打たない。日本ではCRVOは2割レーザー。欧米では6%。日本でのレーザーは多すぎる!!実臨床では周辺部のNPAにも黄斑部にもレーザーは今後少なくなっていくことが予想される。

討論:
硝子体出血を起こしてこられる場合は、レーザーしてあると硝子体手術の難易度が全く異なる。ので、レーザーは有用という意見がある。
あと海外では虚血型でもCRVOにレーザーしない。海外では抗VEGFを打つことが多く、NVGになりにくい。また、ルベオーシスになってからでもPRPをしても遅くない?ので海外ではレーザーしない。
海外ではNVGを起こした場合はどうするの?→最近は抗VEGFを打つので起こしにくい。起こしてからレーザーする。

東日本RVO のコピー.jpg

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