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RVO全国講演会「RVOで残された課題を皆で考える」:2021/06/20

本日上記開催された。拝聴した。
今までの同じ内容の講演を幾度となく拝聴したが今日は今までに無くじっくりと復習できた。特に辻川教授のご講演はクリアカットでわかりやすかった。明日からの臨床に役立つ。
16:00~17:10
以下プログラムより。
座長 三重大学大学院医学系研究科
臨床医学系講座眼科学 教授
近藤 峰生 先生
テーマ BRVO患者の長期フォロー
演題 BRVO患者の長期のマネジメント
演者 杏林大学医学部 眼科学教室 教授
井上 真 先生
Discussion 三重大学大学院医学系研究科
臨床医学系講座眼科学 教授
近藤 峰生 先生
杏林大学医学部 眼科学教室 教授
井上 真 先生
テーマ CRVO患者のマネジメント
演題 CRVO患者の実臨床の課題とポイント
演者 京都大学大学院医学研究科 眼科学 教授
辻川 明孝 先生
Discussion 三重大学大学院医学系研究科
臨床医学系講座眼科学 教授
近藤 峰生 先生
京都大学大学院医学研究科 眼科学 教授
辻川 明孝 先生
概要  日本人の網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫に行われたZIPANGU試験での1年間の検討ではレーザー治療併用のベネフィットは得られませんでしたが、2年目以降も黄斑浮腫の再燃を繰り返す患者さんではどのようなマネジメントをするべきか議論が続いています。
 また、CRVOも含めた網膜静脈閉塞症では、黄斑浮腫による視力低下だけでなく新生血管合併症のリスクをどのように評価するべきかは、残された課題だと考えています。
 本講演会では、最新の知見をアップデートいただき、明日からの診療にお役立ていただけますと幸いです。

印象:
20乳頭径以上の無血管野があるBRVOはPVDがあったらレーザーするし、PVDが起きていなかったらレーザーしない。辻川教授は基本的にレーザーしない。理由はレーザーしても50%に新生血管が発生するし、実際に新生血管が発生するのは20%。結局10%の方にしかレーザーの有効性がないと言うことから。
 CRVOはまずFAを行う。新生血管の発生は3から6ヶ月。それ以内にレーザーする。よって虚血型のCRVOは早めにPRPをする。
OCTでの中心窩下の丈の高い網膜剥離、高輝度な網膜内層、神経線維層の空隙は虚血型CRVOの特徴。急性期CRVOに伴う出血は、黄斑部は刷毛状出血、周辺部は斑状出血。大型の周辺部斑状出血は網膜虚血のサイン。黄斑浮腫に対しては1+PRNもしくは3+PRN regimenでの抗VEGF治療。黄斑浮腫が改善すると視力予後は良好。浮腫が遷延すると視機能は徐々に低下。視機能が大きく低下した場合は治療中止も選択肢。TAEも選択肢。黄斑虚血が強いと視力不良。治療前から極端に視力が不良な症例は予後不良。血管新生緑内障のリスクが高い。

辻川教授は注射の適応は、視力ではなくOCTによる浮腫の程度で決める。改善が見られない場合は諦めも必要。井上先生はPRN。辻川先生は3+PRN。片眼などの場合はTAEを考えるが基本的にはしない。
 ZIPANGU試験では、1年はレーザーなしで様子を見る。が、晩期合併症に対してはレーザーする。黄斑部の毛細血管瘤を見つけた場合、辻川先生は晩期(1年以上経過後)に中心窩のすぐそばにMaがあり漏れている場合にレーザーする。

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